初めての育児三連クエスト ― ミルク・オムツ・沐浴 ―
初めての育児は、何をするにも不安だらけ。
特にミルク作り、オムツ替え、沐浴は、多くのパパママが最初につまずくポイント。
勇者は、まだ知らなかった。
この世界には、説明書を読んでも正解が分からないクエストが存在することを。
その名も「はじめての育児三連クエスト」。

最初の育児三連クエストはすごく記憶に残っているよ。
勇者になったんだと実感した瞬間の一つだね。

そうね。初めての育児クエストだったものね。
育児クエストはずっとできるものではないから
この記憶はずっと大切にしなきゃね。
クエスト① ミルク作り|初めての育児で焦った瞬間
最初の試練は、ミルク作りだった。
粉を入れて、 お湯を注いで、 冷まして、 温度を確認する。
文章にすると、たったこれだけだ。
しかし実際は、制限時間付き・失敗不可。
泣く天使キュピコを前に、 手は震え、頭は真っ白。
「スプーン、何杯だっけ?」 「お湯、熱すぎない?」 「これ、本当に人肌?」
何度も説明書を確認しながら、 ようやく完成したミルク。
恐る恐る飲ませると、 天使キュピコは少し落ち着いた。
その瞬間、 勇者は静かにガッツポーズを決めた。※誰にも見られていない。
クエスト② オムツ替え|新生児のオムツ替えは予測不能
次に現れたのは、オムツ替え。
これも簡単そうに見える。
オムツを外して、拭いて、新しいものをつける。
……はずだった。
実際は、 「途中で動く」 「想定外の追加攻撃」 「一瞬の油断で被害拡大」 まさに高難度。
一度、少し目を離した隙に、 事件は起きた。
「え、今?」
「このタイミング?」
勇者は叫ばなかった。
ただ、黙って拭いた。
完璧じゃない。
むしろ不格好。
それでも、オムツ替えは完了した。
ここでも、経験値は確実に加算されている。
クエスト③ 沐浴|新生児の身体は思ったより小さい
沐浴クエスト。
ベビーバスにお湯を張りながら、 何度も温度を確認する。
ガーゼ、タオル、着替え、オムツよし。
いざ、お湯の中へ
小さな体。 滑りやすい。
最初に顔を見た瞬間、
「あ、泣くかも」
と思った。
でも、泣かない。
むしろ、 少し不思議そうな顔で、 じっとこちらを見ている。
その後、やっぱり泣いた。
「落としたらどうしよう」
「これで合ってる?」
不安しかない。
片手で支え、 片手で洗い、 声をかけ続ける。
ぎこちない動きでも、 必死な気持ちは伝わる。
やがて、湯船から上がり、 タオルに包む。
その瞬間、 なぜか少し誇らしい気持ちになった。
今日の記録
今日のクエストは、 すべて初挑戦。
今日の戦績 ・ミルクを作った ・オムツを替えた ・沐浴を終えた 派手な成果はない。
でも、この世界では、これが大きな一歩だ。
勇者はまた一つ、 「父としてのレベル」を上げた。
女神の一言

「全部ぎこちなくて大丈夫です。」
「初めてで完璧な人、 この世界にいませんから。」
「手が震えていたのも、 何度も確認したのも、 ちゃんと“守ろうとしていた証拠”です。」
「それから勇者さま、 オムツ替え中の追加攻撃、 あれは誰でも食らいます。」
「今日できたこと、 ちゃんと自分で認めてあげてくださいね。」


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